公正競争規約は、一般消費者の利益と不動産業界の公正な競争を確保するために様々な広告のルールを定めています。その主なしくみは次のとおりです。
未完成の宅地や建物は、開発許可や建築確認を受けるまでは広告その他の表示をしてはならないことになっています。ときどき「新築フリープラン」などといって、建築確認のない建売住宅の広告が見受けられますが、これは公正競争規約に違反するものです。
正しい広告とは、ただ嘘をつかないだけではなく、消費者が不動産を選ぶ場合に必要だと考えられる最少限の事柄を表示することだという立場から、不動産広告には物件の種類と媒体別に必ず表示すべき事項が定められているほか、 文字の大きさは原則として7ポイント以上としています。
通常、不動産広告に表示される一般的な事項についてまちまちな表示とならない61基準を定めています。たとえば徒歩時間は道路距離80mにつき1分として表示されます。
都市計画法、建築基準法その他の法令による利用制限や傾斜地など消費者が通常予期することができない物件の欠陥で、消費者にとって著しく不利益となる事項については広告に表示する義務を課しています。
抽象的な用語や他物件や不動産会社と比較するような次に挙げる用語については、具体的・客観的事実に基づく場合などを除き、原則としてその使用が禁止されています。
(1) 完全、完壁、絶対などの用語
(2) 日本一、抜群、当社だけなどの用語
(3) 最高、最高級など最上級を意味する用語
(4) 特選、厳選などの用語
(5) 格安、堀出、土地値などの用語
(6) 完売などの用語
建築条件付宅地(建築条件付分譲宅地も含む)は、不動産の表示に関する公正競争規約第6条(建築条件付土地取引に関する広告表示中に表示される建物に関する表示)に定める事項を表示しなければなりません。
この6条の要件を満たすものに限り、広告表示の開始時期の制限は適用されません。
表示規約、第6条を広告主に遵守して頂くため、九州不動産公正取引協議会として下記の指導方針を定め、今後の指導指針としたい。
(1)「建築条件付宅地」と大きくわかりやすく明確に表示すること
(2)価格表示については、あくまでも土地の販売広告なので土地の価格を明確に独立して表示すること。
(3)建物の価格を表示するときは、土地の価格表示より大きく表示しないこと。
(4)土地価格と建物価格の合計額のみの表示は認めない。もし合計額を表示する場合は、活字の大きさを土地の価格表示を超えない活字の大きさとし、強調してはいけない。
(5)建物の間取り図を表示する場合は、「プラン(例)」「当社推奨プラン(例)」「参考プラン(例)」と表示すること。「セットプラン」「新築」「間取り変更可」「イージーオーダー可」等の表示は、広告全体を見て、建売住宅の販売広告との誤認を与える恐れがあるので表示は不可とする。
(6)パースについては、建物プラン例と記載した表示の中で建売住宅と誤認を与える恐れがなければ「完成予想図」「イメージ図」等の表示も可とする。但し、建売住宅と誤認を与える表示は不可とする。
(7)この他広告全体を見て「建売住宅の販売広告」との誤認を与える表示をしないこと。
「建築の条件までは付けていないが、できれば広告主又は特定の第三者等で土地の購入者に建築してもらいたい。」「土地の販売広告であるが、不整形地であるため建築プランも併せて掲載したい。」等の要望が寄せられる。
そこで上記の広告を出す場合に建売住宅の販売広告との誤認を防ぐため下記について留意すること。
(1)「売り地」「分譲宅地」等の表示と共に「この土地は建築条件付ではありません」等と表示をすること。
(2)「ご希望により当社(特定事業者)で建物の建築も承ります。」と表示すること。
(3)建築をする業者の「建設業許可番号」を表示すること。
(4)建築条件付宅地の2~7についても留意すること。